射出成形機の選び方

自動車産業、航空宇宙産業、医療産業などの分野で、同一の製品を大量に生産するために最も一般的に使用されるプロセスのひとつが射出成形です。高速で大量生産に適したこの工程では、射出成形機と呼ばれる機械を使用します。射出成形機は、主に射出ユニットと型締ユニットの2つの部分から構成されます。

射出ユニットは、粒状または粉末状の材料を入れるホッパーと、材料を溶かして成形可能な状態にするスクリューの2つの部分で構成されています。一方、型締ユニットは、材料を冷却し、希望の形状に成形する役割を担っています。

このプロセスは、世界中で最も広く普及しているプラスチック部品の製造方法であり、幅広い用途に使用されています。

射出成形機を見る

  • 種類について

    射出成形機の種類と特性は、成形品の仕上がりに大きく影響します。 射出成形機には、油圧式、電動式、ハイブリッド式の3タイプがあります。

    油圧式射出成形機

    定速電動モーターに接続された油圧ポンプを備えています。

    メリット :
    – 大型部品の生産が可能
    – 一定の射出と排出が可能
    – 頑丈で長持ちする機械
    – スペアパーツの入手が容易

    デメリット :
    – 多くのエネルギーを消費する
    – 精密な成形ができない
    – オイル漏れのリスクあり

    電動式射出成形機

    マシンの動力源としてデジタル制御のサーボモーターが搭載されており、さまざまな機能が備わっています。

    メリット :
    – エネルギー消費が非常に少ない
    – 高精度で信頼性が高い
    – 使いやすい

    デメリット :
    – 油圧式と比べて初期投資費が高い
    – 部品を定期的に交換する必要があり、定期的なメンテナンスが必要

    ハイブリッド式射出成形機

    ハイブリッド式は、油圧ポンプ(サーボポンプ)に連結されたサーボモーターによって駆動されます。 これにより、実際の電気的要件への継続的な調整が可能となり、低排出ガス、低騒音、省エネルギーが実現します。

    メリット :
    一部が電動式で油圧が連続的にかからないため、油圧式よりもエネルギー消費が少ない
    – 高精度
    – クランプ力が高い

    デメリット :
    再現性の問題が発生する可能性あり
    – 電気部品と油圧部品の両方のメンテナンスが必要

  • 選ぶ際に考慮すべき基準について

    射出成形機を購入する際に考慮すべき基準がいくつかあります。

    射出容積 :

    射出容積とは、1回の成形サイクルで金型に射出できる材料(プラスチック、金属)の最大量のことです。 この量は、ヨーロッパとアジアの機械ではcm³で表されます。 アメリカ合衆国の機械では、汎用ポリスチレン(GPPS)のオンスで表されます。

    部品が必要とする量の30~40%多いプラスチックを保持できる機械を選ぶことが望ましいと言われます。

    型締力 :

    型締力は、射出工程で金型をクランプし続けるために機械が必要とする力のことで、トンで表します。 この可変的な力によって、金型キャビティを保持するプラテンを押すことが可能になり、さまざまな部品の成形を最適化することができます。 トン数は5トンから4,000トン以上まで様々です。 適切なトン数を見つけるには、部品の表面積と射出するプラスチックの粘度を考慮する必要があります。

    ガイドポスト間の水平スペースとトレイ間の垂直スペースは、金型が障害物なく機械に装填できるように、金型のサイズより大きくなければなりません。

    エネルギー効率 :  

    産業機械を選ぶ際には、エネルギー効率を考慮する必要があります。 一般的に言って、今日の射出成形機は技術革新のおかげで、10年前に製造された機械よりもエネルギー消費が最大50%少なくなっています。

    そして、電動式とハイブリッド式は、エネルギー消費量が最も少ないです。

  • 射出成形機にかかるコストについて

    大型射出成形機の平均価格は5万~20万ユーロです。 機種によってはさらに高価なものもあります。

    さらに、機械の価格だけでなく、下記のような他の要因も考慮する必要があります。

    金型の費用 : 例えば、3Dプリントのような最も基本的なプラスチック金型は約100ユーロ。 アルミ型は2,000~5,000ユーロ。 またスチール製金型は10万ユーロ以上することもあります。 プラスチック金型のものは、手頃な価格でプラスチック部品の大量生産を可能にします。

    材料のコスト : さまざまなプラスチック(ABS、PP、PC、PEなど)があり、価格も異なります。 価格は使用する素材によって異なります。 例えば、熱可塑性プラスチックのペレットは、一般的に1キロあたり約5ユーロです。

    設置、操作、メンテナンス費用 : 射出成形機には厳しい設置条件があり、操作やメンテナンスの管理には熟練した技術が必要です。 そのため、人件費と定期的なメンテナンス費用を考慮する必要があります。

関連したガイド
1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (No Ratings Yet)
読み込み中...
コメントはありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です