工業用接着剤を正しく選ぶ

接着剤とは被着材を接着する液体またペースト状の製品です。接着剤は、業界では通常合成です。
接着剤は、エレクトロニクス、自動車、航空宇宙、梱包、建築、木材、家電、繊維の各分野での組み立て手段として広く使用されています。
業界で最もよく使用される接着剤には、エポキシ接着剤、シアノアクリレート接着剤、ポリウレタン接着剤があります。

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  • どのように工業用接着剤の選定をするか?

    工業用接着剤を正しく選択するには、接着させる物体の材質との適合性を確認することが大切です。

    最低・最高の室温や湿度、紫外線、また接着剤の品質に影響を与える可能性のある洗剤や酸、ほこりや化学物質への露出などの環境条件を把握することも大切です。

    また、選択した接着剤が適用される力(連続的負荷、振動、衝撃、せん断、曲げなど)に適応しているかどうか、特に引っ張りに対する耐性を確認する必要があります。

    さらに接着後の取り外しが可能であるかどうか、また取り外した場合は接着剤をどのように溶かすかを確認する必要があります。

    接着後に位置を変えることができる時間と接着完了時間を考慮する必要があります。 原則として2液型の接着剤は、1液型の接着剤よりも接着時間と最終硬化時間が短いです。硬化時間が数秒のシアノアクリレート接着剤は例外です。

    最後に選択した接着剤が製品規格に「準拠している」ことを確認する必要があります。

    以下の項目との適合性を確認する:

    • 材質
    • 環境条件
    • 粘度
  • 構造用接着剤の主なタイプは何か?

    接着剤のタイプ 材質との適合性 状態 コメント 用途
    エポキシ
    • ガラス
    • 金属
    • コンクリート
    • 木材
    • ゴム
    • セラミック
    • 磁器
    • 被革
    • ポリカーボネート
    • ポリエステル
    • 硬質PVC
    • 発泡ポリウレタン
    • フィルム
    • ペースト状
    • 1液型また2液型
    • 熱硬化性
    • せん断や引張りに強い
    • 極端な温度に強い
    • 極端な温度に強い
    • 可逆性がある
    • 柔軟性無し
    • 紫外線に強い
    • 重合反応中に収縮
    • 高価格
    • 航空宇宙産業
    • 自動車産業
    • 電子機器
    • 海事
    アクリル
    • 金属
    • ポリカーボネート
    • ポリアミド
    • ポリエステル
    • プラスチック
    • 2成分ペ-スト
    • せん断や引張りに強い
    • クリアランスを埋めることができる。
    • 機械
    嫌気接着剤
    • 金属
    • 熱硬化性
    • 1液型ペ-スト
    • 円筒形アセンブリ
    • 引張に非常に強い
    • 耐溶剤性に優れている
    • 耐熱性に限界がある
    • 機械
    シアノアクリラート系接着剤
    • プラスチック
    • ポリマー
    • 金属
    • ガラス繊維
    • セラミック
    • 厚紙
    • ゴム
    • スピ-ド接着(約10秒)
    • ちょうど良い湿度が重合に適切です
    • 小さい部品のアセンブリ
    • 平らな面でのみ使用できる
    • せん断に非常に強い
    • 耐溶剤性に優れている
    • 透明接着ジョイント
    • 高温に弱い
    • 衝撃に弱い
    • 機械
    • プロトタイピング
    • 電子機器
    ポリウレタン (PU)
    • ガラス
    • 木材
    • ゴム
    • スピ-ド接着
    • 1液型また2液型
    • 柔軟な接着
    • 不均一な接着
    • 広い表面
    • 耐湿性
    • 1液型において、エポキシ接着剤は高湿度で重合します(硬化が遅い)。
    • 耐薬品性
    • 90°Cまでの耐熱性
    • 自動車産業
    • 大工仕事
    ウレタン
    • ゴム
    • ネオプレン
    • 接着に時間がかかる
    • 膨張性接着
    • 1液型
    • 不均一な接着
    • 柔軟なアセンブリ
    • 耐水性
    • ボ-ト
    シリコン
    • ガラス
    • コンクリート
    • 木材
    • ゴム
    • セラミック
    • 磁器
    • 金属
    • ポリアミド
    • 発泡ポリウレタン
    • 1液型
    • 様々な材質上にガラスを接着できる
    • エポキシ接着剤は高湿度で重合します(硬化が遅い)。
    • 高い防水性
    • 気候による老化に強い
    • 耐溶剤性に優れている
    • 気体透過性
    • 大工仕事
    • 建築
    メタクリル酸メチル (MMA)
    • プラスチック
    • 金属
    • 熱可塑性
    • ポリマー
    • 複合素材
    • 木材
    • 2成分
    • 透明接着剤
    • 常温接着
    • スピ-ドまた瞬間接着
    • 透明パッキン
    • 事前の表面処理の必要がない
    • 硬質、半硬質、また柔軟なタイプがあります。
    • 不均一な接着
    • 機械的強度が強い
    • 衝撃に強い
    • 耐寒性に優れています(-40°Cまで)。
    • 航空宇宙産業
    • 自動車産業
  • どのような場合にエポキシ接着剤を使用するか?

    衝撃、せん断また引っ張りなどに強い接着剤が必要であればエポキシ接着剤がおすすめです。 エポキシ接着剤には、1液型また2液型があります。

    1液型のエポキシ接着剤は100〜200℃の高温下で重合します。 このタイプの接着剤は、オーブン、誘導システムまた赤外線システム、少なくともホットエアガンがあると有利で、30分~2時間かかる重合段階用(接着剤の乾燥と硬化)に最適です。1液型のエポキシ接着剤は、例えば炭化タングステン製工具の組み立てのための溶接にとって代わることができます。

    重合反応を起こすための加熱ができない場合は、加熱によって硬化を早めることができるとしても、室温で硬化する2液型のエポキシ接着剤を使用できます。 2液型エポキシ接着剤はスタティックノズル付き並列カートリッジとして入手可能なため、2液を混ぜる必要がありません。 可使時間は「ポットライフ」とも呼ばれ、エポキシ接着剤のタイプに応じて数分から数時間の違いがあります。 透明度、柔軟性、接着部分のクリアランスの度合いに応じてエポキシ接着剤を選択することが重要です。

    エポキシ接着剤は、重合後の主な特性によって3つのタイプに分類できます:

    • 硬めのタイプは、優れたせん断抵抗と耐久性を提供します。 これらの接着剤は、硬い被着材と大きな静荷重に利用されています。
    • 柔軟なタイプは衝撃と引っ張りに強く、低温にも強いです。 これらの接着剤は、特に同じ膨張率を持たない異なる材料を接着するために使用されます。
    • 硬い接着剤と柔らかい接着剤のを組み合わせた頑固なタイプ。

    3種類のエポキシ系接着剤 :

    • 硬質接着剤
    • 弾性接着剤
    • 剥がしずらい接着剤
  • どの場合にアクリル接着剤を使用するか?

    LOCTITEのアクリル接着剤
    LOCTITEのアクリル接着剤

    アクリル接着剤は、主に金属上にプラスチック、ガラス、木材などの様々な材料を接着するために使用されます。 良好な機械的性質を持っていますが、エポキシ接着剤には劣ります。 一方アクリル接着剤は一般的にエポキシ接着剤よりも安価です。

    1液型アクリル接着剤の硬化時間は比較的長く、5〜30分ですが、加熱することによって加速することができます。

  • どの場合にポリウレタンやウレタンの接着剤を使用するか?

    PERMABONDのポリウレタン接着剤
    PERMABONDのポリウレタン接着剤

    ポリウレタン接着剤は、例えば断熱パネルの接着用に建物でよく使用されています。 非常に柔軟な接着剤ですが、周囲温度が高い場合、エポキシ接着剤と比較して機械的強度が制限されます。

    1液型ポリウレタン接着剤は周囲の湿気と反応して重合します。 重合時間を短縮するために加熱ガンを使用することができます。 湿度が低い場合は、2液型ポリウレタン接着剤を使用すること適切です。

    ウレタン接着剤は、ダイビングスーツなどのゴム系材料の接着また修復に適しています。

  • どのような場合にシアノアクリレート系接着剤を使用するか?

    MASTERBONDのシアノアクリレート系接着剤
    MASTERBONDのシアノアクリレート系接着剤

    シアノアクリラート系接着剤は、1液型の接着剤であり 液体としてもジェルとしても使用することができます。 これらの接着剤は、素早く接着することを目的としており、優れたせん断抵抗を持っています。室温で瞬間接着が可能です。

    最初のシアノアクリレート接着剤は液体接着剤で、硬質材料への接着にとても適していました。現在では、ジェル状のものもあり、粘着度は中~大です。

    液体接着剤は、浸透によって接着可能な被着材に塗布することができ、それらは毛細管現象によって拡散します。逆にジェル状の接着剤は垂直な面および多孔質材料に特に適しています。

    シアノアクリレート接着剤は、水分がある場合にのみ表面に接着できます。 表面が完全に乾いている場合は接着しません。この場合、表面に薄い水の層を作り硬化させます。

    金属、グラスファイバー、セラミック、厚紙、ゴム、プラスチックなどの被着材に使用されます。 耐熱性プラスチックの場合は、エポキシ樹脂が効果的です。

    これらの接着剤の不利な点は、低い耐衝撃性と高温に弱いことです。

     

  • どの場合にシリコン接着剤を使用するか?

    シリコン系接着剤柔軟動的な力に強く防水性に優れています。また耐溶剤性に優れていて、紫外線および高温に強いです。一方で機械的抵抗はそれほど高くありません。

    1液型シリコン接着剤は、重合するために高湿度である必要があります。 湿度が低い場合は2液型接着剤を使用するべきです。

    耐久性 :

    • 動的な力に強い
    • 耐溶剤性
    • 紫外線に強い
    • 高温に強い
  • どの場合に2液型接着剤を使用するか?

    接着剤の種類にかかわらず2液型接着剤の場合、重合は2液を混合した時点から周囲条件に依存しないという利点があります。

    混合するにはカートリッジノズルで自動的に、また手動でも行うことができます。 この場合、各成分を適切に投与する必要があります。 2液型接着剤には有害なガスを発生させる可能性があるため、換気の良い場所で使用するべきです。

    利点:

    • 重合が周囲環境に依存しない
    • 硬化時間の正確さ
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