塗装用スプレーガンの選び方

塗装ガン は、塗料(場合によってはラッカーやワニスなど他の液体製品)を吹き付けるための塗装機器です。

筆などの旧来の塗装方法に比べて生産性が高く、塗料の節約ができ、高品質な仕上がりを実現します。

生産ライン、作業場、建設業など、様々な業界で使用されています。DIY好きな人にも人気があります。

塗装用スプレーガンを見る

  • 手動式塗装用スプレーガンと自動式塗装用スプレーガンについて

    SAMES KREMLINの自動式塗装用スプレーガン

    SAMES KREMLINの自動式塗装用スプレーガン

    塗装用スプレーガンには手動式と自動式があります。

    手動式塗装用スプレーガン

    手動式塗装用スプレーガンは、作業場や建設業で作業員が使用するもので、少量の部品を連続して塗装します。

    一般的に低圧(約6バール)です。軽量化のためにアルミニウム製のものが多く、取り扱いやすいです。

    自動式塗装用スプレーガン

    自動式塗装用スプレーガンは、大量生産ラインの自動化された塗装ステーションに組み込まれるように設計されています。

    圧縮空気を動力源としており、あらゆるサイズの部品を塗装できます。

  • スプレー技術について

    PREVOSTの塗装用スプレーガン

    PREVOSTの塗装用スプレーガン

    塗装用スプレーガンのスプレー技術には種類がありますが、どの技術が自分のニーズに合っているかを見極めた上で、モデルを選ぶことが大切です。

    低圧電動スプレーガン

    小型コンプレッサーを内蔵しているので、電源さえあれば動作します。

    小規模な作業に適しています。

    長所 : 

    • 軽くて扱いやすいことから、DIY好きの方にも人気。
    • 非常に効率的で安価。
    • 外付けのコンプレッサーなしで動作する。

    短所:

    • 小さな表面にのみ適している。
    • 重い塗料(アクリル、グリセリン)は、水や揮発油で薄める必要がある。

    エアスプレーガン(従来型)

    圧縮空気を使って塗料を吹き付けるため、外部コンプレッサーや圧縮空気システムに接続する必要があります。

    従来のエアスプレーガンは、塗料をカップ容器から供給する方法(重力または吸引)と、ホースを使ってポンプや圧力タンクから供給する方法(圧力)があります。

    長所 :

    • 信頼できて安価。

    短所:

    • 塗布中に発生する霧化した塗料が飛散し、カバーされてない部分に付着する。

    HVLP・LVLPスプレーガン

    HVLPガン

    HVLP(High Volume Low Pressure)スプレーガンは、低圧(約0.7bar)・多量の空気(8.5~40m3/h)で塗料を塗着させます。 より滑らかなスプレーが可能になり、通常のスプレーガンと比べ飛散を防ぐことができ、塗料の表面への密着性を高めます。

    小規模な作業に適しています。

    長所 :

    • 効率的
    • 高圧の塗装ガンより仕上がりがきれい。
    • 飛散を防げる。
    • 塗料の無駄を省き、コスト削減につながる。
    • 大気汚染を最小限に抑えることで、掃除を迅速に行い、有害廃棄物の処理コストを抑えることができる。

    短所:

    • 小規模な表面への使用に限られる。

    LVLPスプレーガン

    LVLP(low volume low pressure)スプレーガンは、HVLPスプレーガンに比べて少ない空気量と低圧力(0.7bar以下)で塗料を塗着させます。

    長所 :

    • HVLPスプレーガンよりも粘度の高い塗料の微粒子化が可能。
    • 水性塗料向き。
    • より速くスプレーできる。
    • より良い仕上がり。
    • 空気の消費量が少ない。
    • 広い表面への使用に適している。

    エアレススプレーガン

    このガンは、圧縮空気を一切使用せず、塗料に高い圧力をかけ(最大300bar)、小さな噴射口から塗料を噴射します。

    そのため、外部高圧ポンプと塗料供給用の高圧ホースを使用する必要があります。

    ポンプは、タンクから供給することも、塗料缶から直接吸引することもできます。

    長所 :

    • 経済的。
    • 扱いやすく、快適な作業環境を提供。
    • ペンキ、ワニス、アクリル、ラテックスなどに使用できる。
    • 建物などの大規模な塗装現場に適しています。
    • 塗装が早い。

    エアコートまたはエアアシストガン

    ワニスなどの溶剤をスプレーするために特別に設計されています。 エアレススプレーと中圧が組み合わさったスプレーガンです。 少量の圧縮空気を使ってスプレーするので、塗料の無駄使いを防ぐことができます。

    長所 :

    • 塗料や空気の消費量が少ない。
    • 仕上がりがきれい。
    • 小さな表面に塗装できる。
  • 塗装用エアスプレーガンの塗料供給について

    DEVILBISSの塗装用スプレーガン

    DEVILBISSの塗装用スプレーガン

    エアスプレーガンの塗料供給方法は主に3種類あり、ガンの形状も3種類あります。

    圧送式  

    圧力のかかった塗料をホースでスプレーガンに供給し、スプレーします。圧縮空気用と塗料ホース用の2つの接合部があります。

    長所 :

    • 全方向に塗装できる。
    • 大規模な塗装に適している。

    短所 :

    • 圧送タンクから塗料を供給する必要がある。

    吸上式

    ガンの下に取り付けられているカップに塗料が入っており、ガンの先端まで塗料を吸い込んでから霧化します。自動車業界で長年にわたり使用されています。

    短所:

    • 塗料をカップから引き上げるためには、圧縮空気の圧力を高くする必要があるため、仕上がりの良い低圧スプレーガンには、この供給方式は使えない。重力式スプレーガンに比べて空気圧が高いため、エネルギー効率が悪い。

    重力式

    塗料カップは、ガンの上部に取り付けられていて、重力により塗料はガンに流れます。このシステムにより、塗料カップ内の塗料を使い切ることができます。一方で、ガンの向きによっては塗料がうまく流れないことがあるため、全方向に塗装することはできません。

    長所 :

    • 小規模な塗装や精密さが求められる塗装に最適。

    短所:

    • 高粘度の塗料は薄めないと使用できない。
    • 広い面積には向いていない。
    • 上向き塗装ができない。
  • 塗装用スプレーガンの選び方について

    GRACOの塗装用スプレーガン

    GRACOの塗装用スプレーガン

    塗装用スプレーガンを正しく選ぶには、いくつかの選択基準に基づいて選びます。

    塗料の種類

    スプレーガンは、スプレーしたい塗料の種類に応じて選ぶ必要があります。

    • ワニスやステインには、薄くて光沢のある塗料に特化したエアコートガンを選びます。 特に自動車分野に適しています。
    • 典型的なアクリルやラテックス、またコーティング剤や接着剤などの重くて粘性のある塗料には、エアレスガンを選びましょう。特に建築業に適しています。 特に自動車分野に適しています。

    高圧/低圧

    スプレーガンの圧力は、行う作業の種類によって異なります。

    • 小さな面積を塗装する場合は、低圧ガンがおすすめです。 HLVPスプレーガンは、特に小面積に適しており、大工の方や家具職人の方に利用されています。広い面積を塗装する場合は、高圧ガンを選びます。

    流量

    家具の塗装やニスを塗るには低流量、ファサードを塗り替えるためには高流量のスプレーガンが必要になります。スプレーガンによっては、流量の調整ができないものもあります。流量調整ができないスプレーガンは、異なる流量を必要とする作業(家具のニス塗りやファサードの再塗装など)に使用することができないので、おすすめできません。

    塗料容器の容量

    塗料容器を搭載しているスプレーガンでは、容量が大きいほどより多くの塗料を入れることができ、長時間塗装できます。しかし、その分スプレーガン自体が重くなり、使いづらくなります。

    ノズル

    ノズルは、塗料などの液体をスプレーする部分です。塗料の種類に合わせて交換できます。フラットジェットノズルには、固定式と調整式がありますが、ジェットの向きを変えられる調整式のノズルがおすすめです。

    Buse de pulvérisation Direct Industry

             EXITFLEX社の噴射ノズル

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