ベアリングの選択

滑り軸受と同様に、軸受は2つの部分間の回転案内において摩擦を低減します。力の向きに応じて軸方向または半径方向の異なる種類のベアリングがあります。ベアリングは転がり要素、通常はボール、円筒形または円錐形のローラーまたはニードルで構成されています。

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  • 軸受とは何か?

    TIMKENの軸受
    TIMKENの軸受

    軸受とは回転するものの軸を支える機械部品のことです。 軸の回転を容易にさせるために使用されています。 軸受は精密な機械部品であり、幅広い速度や重量に対応できます。

    精密である上、機械の寿命を伸ばし騒音を最小限におさえながら高速回転に耐えられなければなりません。 このような機械部品は自動車産業や航空産業、建設機械、工作機械、などで使用されています。

    様々なタイプの軸受があり、そのうちの基本的な4つのタイプの軸受は、 玉軸受円筒ころ軸受円錐ころ軸受、そして 針状ころ軸受です。 玉軸受(ボ-ルベアリング)が最も有名ではありますが、どの機械部品にも利点と難点があります。 どのタイプの軸受があなたにとってふさわしいかを知るために比較しましょう。

    軸受の分類

    • ころ軸受
    • 円筒ころ軸受
    • 円錐ころ軸受
    • 針状ころ軸受
  • どのように軸受を選べば良いか?

    軸受を選択する際に、いくつか注意しなければならない事項があります。 まず1つ目は軸受が耐えられる重量です。

    アキシアル荷重 : 軸方向に作用する荷重ラジアル荷重 : 軸に直角な方向に作用する荷重。 どのタイプの軸受もアキシアル荷重かラジアル荷重に耐久できるようになっています。 これら2つのタイプの荷重に耐えられる軸受もあります。この荷重を複合荷重といいます。 複合荷重に耐久できなければならない場合、円錐ころ軸受をおすすめします。

    ラジアル荷重が大きい場合、円筒ころ軸受がおすすめです。 もし荷重があまり大きくない場合は、コストがあまりかからない玉軸受をおすすめします。

    回転速度には気を付けましょう。 高速回転に耐えられる軸受があります。 保持器がない軸受に比べ保持器付きの軸受は、円筒ころ軸受と針状ころが高速回転に耐えられるようにしてくれます。 回転速度が高いことで、荷重の損害になじむことがあります。

    ミスアライメントの存在を考慮しなければなりません。複列玉軸受のように受け軸によってはミスアライメントに対応していない場合があります。 そのため軸受の構造に注意すべきです。インサ-ト軸受と球面軸受は、ミスアライメントに容易に対応できます。軸の加工誤差や軸受の取付けなどによって生じる軸心の狂いは自動的に調整できる 自動調心軸受 をおすすめします。

    また同様に使用状況にあった軸受を選ぶことが大切です。 軸受を使用する環境をよく知るべきです。  軸受の衝撃振動が騒音の原因となり、他人への迷惑になる可能性があります。 なので衝撃に耐えることができ騒音が防止できなければなりません。

    また軸の寿命を知ることも大切です。 回転速度や繰り返しの使用といった様々な要因が軸受の寿命を縮める原因となります。 密封装置の選択は、 軸受が正しく機能することやその寿命を延ばすためには最も重要です。ほこりや水、腐食性流体などの不純物から保護されているかを確かめる必要があります。 潤滑剤や環境、流体圧力、回転速度により密封装置の選択は異なります。 流体圧力は最も重要な選択要素です。 もし流体圧力が大きい場合、メカニカルシールが適切です。 メカニカルシ-ルの選択は潤滑のタイプによります。 グリ-ス潤滑剤の漏れ防止には、デフレクタ、座金、機械加工された狭い通路や溝などが利用されています。また潤滑油であれば、油を回収するため密封装置に溝がある場合が多いです。 特に軸受の取り付けに関し、使用条件によっても密封装置の選択をすることができます。

    必要な精度及び剛性を把握しておくべきです。 剛性を上げるために予圧を軸受の組み立てで加えることができます。 予圧を加えることで、軸受の寿命を延ばし騒音を低下させます。 予圧の選択には、ソフトウェアや実験による部品の剛性についての知識が必要です。 軸受を選択する上で、その素材の選択も大切です。 軸受には金属製、プラスチック製、陶製のものがあります。 用途に応じて素材を選ぶ必要があります。 圧縮に最も強い軸受をおすすめします。 ただし素材によって値段が異なります。

    軸受の選択基準

    • 積載量
    • 防水加工
    • 回転速度
    • 寿命
    • 剛性
    • 精密さ
    • 振動とショック
  • どうして玉軸受を選ぶのか?

    NTN SNRの玉軸受
    NTN SNRの玉軸受

    玉軸受ラジアル荷重に最適です。 出力軸に対して荷重が直角方向に加わる場合に役立ちます。 一方複列玉軸受はアンギュラコンタクトに最適です。 アキシアル荷重に玉軸受を使用したい場合、適度のアキシアル荷重のみに耐久できます。 この欠点は複列玉の構造でカバ-できます。 費用があまりかからない玉軸受は中でも最もコンパクトで、最も利用されているタイプの軸受です。 高速回転に対応できる小さなハウジングには玉軸受けをおすすめします。

  • どうして円筒ころ軸受を選ぶのか?

    NTN SNRの円筒ころ軸受
    NTN SNRの円筒ころ軸受

    円筒ころ軸受は 非常に大きいラジアル荷重に耐久できます。 円筒ころ軸受には色々なタイプがあります。 円筒ころ軸受には、ころの列数により単列、複列、4列があり、保持器の有無のタイプがあります。

    保持器があると、非常に大きなラジアル荷重や高速回転に耐えることができます。 保持器がないと、ころの列数を増やすことができ、さらに大きなラジアル荷重に耐えることができます。

    1つ不便な点は、保持器がない円筒ころ軸受は、保持器のある軸受と同じぐらい速い回転速度には耐えられません。 また円筒軸受はとても頑丈で寿命が長いです。 さらに外輪と内輪に肩がなければ、アキシアル荷重に耐えることができます。 外輪と内輪に肩があると、アキシアル荷重に耐えることはできません。

  • どうして円錐ころ軸受を選択するか?

    TIMKENの円錐ころ軸受
    TIMKENの円錐ころ軸受

    円錐ころ軸受ラジアル荷重、アキシアル荷重、複合荷重 に耐えることができます。 高剛性のため、荷重が非常に大きくても大丈夫です。 玉軸受か円錐ころ軸受で迷っている場合、円錐ころ軸受の方がより大きな荷重に耐えられます。 このタイプの軸受はスピンドル、自動車や船、ヘリコプタ-などのトランスミッション、自動車やトラックのタイヤのピボットに使用されています。

  • どうして針状ころ軸受を選ぶのか?

    SCHAEFFLERの針状ころ軸受
    SCHAEFFLERの針状ころ軸受

    円筒ころ軸受と同様に、針状ころ軸受は保持器があるものとないものがあります。 保持器があることで、高速回転に耐えることができますが、なくても非常に大きなラジアル荷重またアキシアル荷重に耐えることができます。 これらの軸受は小さくスペ-スを取りません。 よくギヤボックスに使用されています。

  • 軸受の組み立て

    球面でもインサ-トでも軸受は鋼性である可能性があります。 深溝軸受は最も一般的です。 インサ-ト軸受は深溝軸受であり、球面軸受のようにミスアライメントに耐えることができます。

    自動調心形玉軸受や球面ころ軸受とは違い、旋回角度が小さいです。 旋回角度が大きいほど、軸受は芯ずれに耐えられます。 その他に用途によっては、回転軸(例えば自動車の駆動輪の軸受)また回転ハブ(洗濯機の軸受のような) が必要です。

    軸受の取り付け方に注意しなければなりません。 もし2つの軸受の距離が近すぎる場合は、Oタイプの組み立てをするべきです。 そうでなければXタイプの組み立てをします。 各軸受はサイズがあり、 国際単位系であるミリメ-トル(mm)単位で表記されています。 軸受の内径、外経、幅の長さには気を付けましょう。

    軸受のサイズと構造のタイプ

    • 深溝軸受
    • 球面軸受
    • インサ-ト軸受
    • Xタイプの組み立て
    • Oタイプの組み立て
    • 内径(mm)
    • 外形(mm)
    • 幅(mm)
  • どのように軸受の潤滑をすればよいか?

    グリース潤滑軸受の例
    グリース潤滑軸受の例

    潤滑剤の選択は、スムーズな操作とベアリングの長寿命を保証する上で不可欠な要素で、以下の機能を果たします:

    • 動きを容易にする
    • 摩耗や早期疲労を避ける
    • 内部摩擦を減らす
    • 外部ボディに対するベアリングの締め付けを保証する
    • 動作ノイズを低減
    • ベアリングを腐食から保護する

    潤滑剤のタイプでは、グリ-スまたオイルから選べます。通常「グリース潤滑」はすべての機能を保証し、メンテナンス性が低いため、最も簡単で効果的な選択肢です。しかし、ベアリングが潤滑機械に組み込まれていて、 オイルを使用する場合は同じ潤滑剤システムを使用することをお勧めします。 すべての場合において、潤滑剤の選択は、荷重、操作のタイプ(連続的または断続的)、回転速度の3つの要因に依存します。 ベアリングに負荷がかかり、動作が連続して回転速度が速い場合、ローリングシステムの円滑な動作を保証するのは「オイル潤滑」です。 一方、負荷が低く速度が制限されていれば、グリ-スで十分です。

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