歯車を正しく選ぶには

歯車の種類を選ぶポイントは、以下の通りです。

• 減速比：歯車が用途に合っているかどうかは、減速比で決まります。
• 入力軸と出力軸：入力軸と出力軸の向きで、歯車の種類が決まります。
• 伝達される力： ねじ歯車(スパイラルギヤ)は、同じ大きさのストレートギアよりも、大きなトルクを伝達することができます。
• サイズ：遊星歯車のようなコンパクトなタイプもあれば、大きなタイプもあります。
• 値段：歯車の値段は幅広いです。用途と予算に合わせて選びましょう。

歯車には、平歯車、かさ歯車、ウォームギヤなどがあります。

平歯車

最もシンプルで一般的な歯車で、歯が軸に平行です。

かさ歯車

歯車が回転軸に対して傾斜し、傘のような形になっています。 回転軸の向きを変えることができます。

ウォームギヤ

ウォーム(ねじ歯車)とウォームホイールを組み合わせたもの。大きな減速比を得ることができます。 ウォームとウォームホイールは、直角に噛み合っています。 ウォームホイールを回転させ、ウォームを回転させる事ができないといった欠点もありますが、安全性は確かです。 例えば、リフトで荷物が動くのを防ぐために使用されます。

NORELEM社の平歯車

Cross & Morse社のかさ歯車

Framo Morat社のウォームギア

歯車の歯筋には、直線のもの、ねじれたもの、山歯など、いくつかの種類があります。

歯筋が直線

これらは、最も一般的な歯の形です。 回転軸と平行に歯筋が入っています。 しかし、騒音が大きいのが欠点です。

ねじれた歯筋

回転軸と同じ軸に配置され、接触する歯の数は一定です。

はすば(ヘリカル)かさ歯車

振動を抑えることができるため、騒音が少ないという利点があります。 また、歯車の幅よりも歯の幅の方が広いので、より大きな力を伝えることができます。 しかし、製造が難しいので、値段は高いです。

やまば

フランスの自動車会社シトロエンのロゴが、やまばの形をしています。 それは、シトロエンの創設者であるアンドレ・シトロエンが、特許を取得した歯車の形だからです。 やまば歯車は、ねじれの方向が逆になっている、同じサイズのはすば歯車2つで構成されています。軸方向の荷重を打ち消すことができます。 しかし、はすば歯車と同様に設計・製造が複雑なため、値段が高いです。 航空宇宙産業などの重工業で使用されています。

ラックアンドピニオン

ラックアンドピニオンは、回転力を直線運動に変換、またその逆も可能です。 歯車（ピニオン）と、歯が付いた棒状の歯車(ラック)で構成されています。 歯車が回転すると、ラックが動きます。 自動車では、ハンドルの回転運動を、ステアリングバーの左右の動きに変換させるために使用されています。

平歯車

2つの歯車の軸は平行です。

かさ歯車
歯車の入力軸と出力軸の間に角度をつけることができます。 自動車のデファレンシャルギアなどに使われています。

円錐形の歯車で、 2つの歯車が噛み合っているとき、その「仮想」頂点は、同じ点になければなりません。 軸の角度は90度であることが多いです。

食い違い軸の歯車

2つの歯車の軸が、同一平面上にありません。 ねじ歯車やウォームギヤがその例です。

歯車は、変速機や減速機、差動装置、モーターなど、多くの動力伝達部に使用されています。また、家庭用電化製品にも使用されています。