プラスチックフィルムの正しい選び方

ここでは、産業用梱包プラスチックフィルムを選ぶ際に、考慮すべきポイントについて説明します：

SELENE社のパレット梱包フィルム

梱包物の性質

梱包物の性質には、製品のタイプ、乾燥しているか濡れているか、大きさ・重量などがあります。梱包物の大きさや重さに合わせて、フィルムの厚み、幅、長さを選びます。 また、凹凸があるかどうか、フィルムを破る可能性がある尖った角あるかどうかも確認しましょう。

プラスチックの種類

プラスチックの種類は、梱包する製品の性質から選びます。 最も一般的に使用されているプラスチックは、ポリエチレン（PE）、ポリプロピレン（PP）、ポリ塩化ビニル（PVC）、ポリエチレンテレフタレート（PET）です。 それぞれ強度、透明度、柔軟性が異なります。

性能

フィルムの中には、化学薬品や紫外線、熱に強いものがあります。 また、透明度が高いものや導電性を持つものもあります。

使用期間

フィルムがどれぐらいの時間また期間使用されるのか明確にしましょう。

環境の重視

リサイクル・生分解性プラスチックフィルムが増えています。 環境への配慮から、このタイプのプラスチックフィルムをおすすめします。

産業用プラスチックフィルムには、性質や用途ごとに種類があります。 ここでは、一般的に使用されているプラスチックフィルムを紹介します：

ストレッチフィルム

ストレッチフィルムは、汎用性の高い素材で、用途に応じてポリエチレンを1層または複数層に押し出し成形して作られることが多いです。 柔軟で、元の長さの125%～500%まで伸ばすことができます。

ストレッチフィルムには、成形法により2種類あります。

SHADONG DYEHOME社の透明ストレッチフィルム

1. キャスト成形法
   • 角が浅い一般的な梱包物や、重い梱包物にも適しています。
   • 優れた粘着性、横の高い強度、高い透明性、静かな巻き戻し、そして一般的に自動梱包機で使用できます。
2. インフレーション成形法
   • 重く、角度があり、表面が平でない梱包物に適しています。
   • 非常に優れた粘着性、縦・横ともに高い強度ですが、透明度はあまり高くありません。低温向きで、より高い耐久性を持っています。

長所:

• 頑丈で、穴が空きにくいです。
• 梱包物にくっつきません。

短所 :

• 梱包物を効率的に固定するためには、フィルムを慎重に伸ばさなければなりません。
• しかし、ストレッチフィルムの中には、梱包工程を簡略化するために、使用前に伸ばせるものもあります。

用途:

• 物流業界でパレットを包み、固定するために使用されます。
• 生鮮食品や食材の包装にもよく使用されます。

シュリンクフィルム

ZHEJIANG ZHONGCHENG社のPOFフィルム

シュリンクフィルムは、熱でフィルムを梱包する製品にフィットさせます。冷えた後もフィルムは、製品にフィットしたままです。

長所:

• 高い収縮能力を持ち、リサイクルや再利用が可能です。
• 素早く簡単に使える。
• 熱に強い。
• また、耐引裂性、耐衝撃性、耐摩耗性にも優れています。

用途:

• 食品包装用
• ビデオゲーム、DVDなどの消費者向け製品のパッケージ

エアークッションフィルム

EREDI CAIMI社のエアークッションフィルム

エアークッションフィルムは、輸送中に壊れやすい商品を保護するためのものです。

2枚のPEプラスチックフィルムを溶着したもので、1枚は滑らかで、もう1枚はエアークッションで凸凹しています。軽くて丈夫で、輸送中に壊れやすい製品の安全を保証します。 エアークッションの大きさは、フィルムの厚さにより異なります。

• 10mmエアークッションは、標準サイズで、軽い梱包物に適しています。 主に倉庫や包装業界でよく使われています。
• 18mmエアークッションは、重いものや、角の尖ったものに適しています。
• 30mmエアークッションは、壊れやすいものや、梱包物の固定に適しています。

プラスチックフィルムは万能な製品であり、その性質は、使用するプラスチックにより大きく左右されます。 以下は、プラスチックフィルムの製造に使用される、主なプラスチックの種類です：

ポリエチレン（PE）

産業界で最も一般的に使用されているプラスチックのひとつです。 一層または共押出しで生産され、様々なニーズに対応できます。 約150℃で収縮します。

ポリエチレンには、低密度ポリエチレン（LDPE）と高密度ポリエチレン（HDPE）の2種類があります。 ポリエチレンフィルムの厚さは、一般に40～50マイクロメートルですが、より薄いタイプもあり、特に低密度ポリエチレンは、粘着防止や滑り止めの性質を持っています。

SIGNODE社のポリエチレンフィルム

長所:

• 湿気に強い
• 柔軟性がある
• 透明
• 最も経済的

用途:

• 食品包装
• バルク包装
• 飲料缶パック
• 家具、家電製品などの梱包

ポリプロピレン（PP）

ポリプロピレンは、熱や油に強いプラスチックです。

用途:

• 食品包装
• 化学製品およびその他の工業製品の包装。

ポリエチレンテレフタレート（PET）

YANGZHOU JEREL社の薬用PVCフィルム

一般的にペットボトルに使用されるほか、製品を包装する透明フィルムにも使用されています。

ポリ塩化ビニル（PVC）

PVCは、光沢のある透明な素材で、フレキシブルフィルムの製造に使用されます。 80℃前後からの比較的低い温度で収縮します。

用途:

• まとめられた製品や不規則な形状の製品の包装
• 高温が苦手な製品の包装

ポリアミド（ナイロン）

このプラスチックは、穴や湿気、熱に強いです。

用途:

• 真空包装
• フリーザーバッグ

ポリオレフィン（POF）

BAREKS社の食品用フィルム

ポリオレフィンは、ポリエチレン（PE）とポリプロピレン（PP）、ポリエチレンテレフタレート（PET）、ポリスチレン（PEST）などのオレフィンを混合したものです。

これらのプラスチックは頑丈で、一般的に強度を高めるために多層構造になっています。 90℃の温度で収縮し、-30℃までの氷点下に耐えられます。

POFフィルムは、その組み合わせによっては、他の特殊な特性（低張力収縮性、耐フォギング性、微小穴）を持ちます。

長所:

• 高い耐久性
• 完全な透明性
• 光沢

用途:

• 食品
• 金属製品
• 化粧品
• 薬局
• 家電製品
• 自動車部品

360 ECO PACKAGING社のカラーストレッチフィルム

色ごとに用途が異なるため、プラスチックフィルムの色の選択は重要です。 色は、企業のニーズ、梱包物の種類、製品が保管または輸送される環境により決まります。

透明フィルム

梱包物の識別を容易にします。フィルムを剥がすことなく、どの製品がパレット上にあるかを素早く確認できます。 これにより、効率と在庫管理が改善されます。

黒いフィルム

梱包物を光から守ります。 そのため、光に敏感な製品（感光材料、化学薬品）を保護するために使用されます。 黒いフィルムは、梱包物を隠すので、機密性が高いです。

白いフィルム

遮光性がある点では、黒いフィルムに似ています。 さらに、紫外線から製品を保護する効果もあります。 長時間太陽にさらされることで、ダメージを受けやすい製品には、重要な機能です。

半透明ブルーフィルム

このタイプのフィルムは、食品の包装によく使われます。 青は、鮮度や食品の安全性を連想させる色のため、食品によく使われます。

色付きフィルムを使用することで、製品の識別が容易になるため、発注準備の時間を節約できます。 

手巻きまたは包装機で使用できます。

GUILBERT EXPRESS社のシュリンクガン

• 手巻き用： 手巻きの場合、プラスチックフィルムは金属製ディスペンサーやプラスチック製ハンドルなどの付属品と一緒に使うことが多いです。 これらの付属品は、フィルムを持ちやすくするため、包装作業を容易にし、フィルムを均等に巻くことができます。
• 包装機： 産業界や物流業界では、特殊な機械を使いプラスチックフィルムを貼ることもできます。 縦型や横型のターンテーブル式やロータリーアーム式の包装機、フィルム包装ロボット、ヒートシーラーやシュリンクガンなど、様々なタイプの包装機があります。特に重い荷物やパレットへの均等なフィルム貼付を保証します。

有孔フィルムもあります。

• 微孔フィルム： このタイプのフィルムには、空気を通すための小さな穴が開いています。 包装内部の結露を防ぎ、製品の鮮度を維持します。　用途：青果物の包装

• 微細孔フィルム： このタイプのフィルムは、十分な通気を可能にするため、穴はより大きく、製品が結露することなく室温に戻り、品質を保つことができます。用途：加熱または冷却された食品の包装。

                                                              特徴

ZERUST CORROSION SOLUTIONS社の防錆フィルム

• 静電気防止 : 静電気の蓄積を防ぐ作りになっています。 そのため、静電気放電に対して高レベルの保護を提供し、繊細な部品の損傷を防ぎます。 用途：エレクトロニクス産業における製品の包装、または自動車産業における静電気放電に敏感な機器の包装。
• 腐食防止 : 金属製品の包装用に特別な構造になっているので、厳しい環境下でも腐食から保護できます。 耐温度域は、-5～40℃です。用途：冶金、自動車、化学工業。
• 断熱： 液体、食品、医薬品のボトルなど、繊細で壊れやすい製品を梱包するために使用されます。 断熱性があり、製品の温度を保つことができます。 耐温度域は、-20～60℃です。用途：農業食品産業、化学工業、飲食店です。

価格は、フィルムの種類、厚さ、素材により異なります。 以下は、3種類の主なフィルムの価格です:

ストレッチフィルム

ストレッチフィルムの価格は、1巻あたり3ユーロから100ユーロ以上と幅があります。

手で貼るフィルムの場合、価格は大きさにより3ユーロから50ユーロ以上となります。 一般的に、安価なフィルムは軽い荷物に適しており、高価なフィルムは重い荷物や特別な用途に適しています。
包装機を使いフィルムを貼る場合、価格は1巻30ユーロから90ユーロ以上です。

シュリンクフィルム

シュリンクフィルムは、1巻20ユーロから400ユーロ以上です。
価格の差は、フィルムの幅（幅が広いほど価格は高くなる）と、フィルムの厚さにより決まります。

例 :

• 非常に薄いPOFフィルム（10～15ミクロン）は、160ユーロから300ユーロ。
• PEフィルム（40～50ミクロン）は、60ユーロから120ユーロ以上。
• PVCフィルム（20-30ミクロン）は、50ユーロから100ユーロ以上。

エアークッションフィルム

エアークッションフィルムは、1巻長さ約1メートルで3ユーロから100ユーロです:

• 標準タイプは3～20ユーロ。
• 帯電防止タイプは5ユーロから30ユーロ。
• 防錆タイプは10ユーロから50ユーロ。
• 断熱タイプは20ユーロから80ユーロ。