工業用潤滑剤の選び方

工業用潤滑剤は、農業、建設、自動車、食品加工などの分野でさまざまな目的に使用されています。また、油、グリース、ペーストなどさまざまな種類があります。潤滑剤は、さまざまな問題を解決するために使用されます。どのタイプの潤滑剤を選ぶかは、利用者の用途や、例えば食品産業における汚染のリスクなど、その他の要因によって大きく異なります。

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  • 工業用潤滑剤の選び方について

    潤滑剤を購入する前に、選択の決め手となる重要ポイントがいくつかあるのでご紹介します。

    まず最初に、潤滑剤の用途について考える必要があります。 潤滑剤をベアリングに塗布するのか、コンプレッサー、またはポンプに塗布するのかによって、選ぶ潤滑剤のタイプが違ってきます。

    次に、潤滑剤の使用条件に関しても考慮しなければなりません。 まず第一に、必ず作業環境の温度に適した潤滑剤を選ぶことが重要です。 例えば、温度が高すぎると、オイルによっては気化してしまうことがあります。 反対に温度が低すぎると、潤滑剤の循環が阻害される可能性があります。

    粘度も考慮すべき大事な要素のひとつです。 良好な潤滑を確保するためには、どの粘度のものを選ぶかがとても重要になります。 しかし、粘度は温度によって変化するということを、常に考えなければいけません。 そしてその点でいうと、グリースは高温に適しているといえます。

    最後に、作業環境ついても考慮する必要があります。 例えば食品産業では、食品の安全性を保証するため、食品に適合する油脂が必要となります

  • 潤滑剤の種類について

    潤滑剤には、潤滑油グリースペースト状潤滑剤 の3種類があります。 潤滑剤の選択は、用途だけでなく、使用条件にもよります。

    潤滑油は、選ぶ種類によって、幅広い用途に使うことができます。 例えば、機械油は可動部品を摩耗から保護し、切削油は工具を摩耗と過熱の両方から保護してくれます。 ただし、温度が高すぎたり低すぎたりすると、オイルの潤滑性が低下してしまいます。 そのため、各メーカーが自社製品の使用温度範囲を推奨しています。 ただ例外として、合成油は極端な温度に適しており、どんな温度でも潤滑性を維持できます。

    グリースは、グリスアップすることで、可動部品をスムーズに動かし、熱を放散させ、摩耗から保護することができます。 高温で使用しなければならない場合は、耐熱性の高いグリースを選べば大丈夫です。 グリースは高速回転や高荷重にも耐えられます。

    一方、ペースト状潤滑剤は、オイルが気化しやすい閾値である300℃を超える温度で使用するのに最適です。 また、低速回転のベアリングや、高荷重をともなう用途にも使用でき、その他の単純な潤滑作業にも適しています(組立用ペースト)。

  • 潤滑油について

    MYLUBRICANTS社製 潤滑油

    潤滑油切削、穴あけ、機械加工、保護といった特定の用途があります切削油とドリルオイルは、潤滑と冷却に使用されます。摩擦を防いで過熱を抑えることで切削作業をスムーズにし、また切削工具の寿命を延ばします。 機械加工用潤滑油は、潤滑と冷却だけでなく、加工面の洗浄や切り粉の除去にも役立ちます。 そのため、金属加工に推奨されることが多いです。 ただ、皮膚に直接触れるとひどいかゆみを引き起こすことがあるので、このタイプの潤滑油には決して素手で触れないようにしてください。

  • 鉱物油、合成油、半合成油の違いについて

    潤滑油には大きく分けて鉱物油合成油、半合成油の3種類があります。
    鉱物油は、飽和炭化水素の混合物であり、原油を精製してつくられます。最も一般的に使用されている潤滑油であり、その特性は様々です。 高温に弱く、比較的早く詰まってしまいますが、値段は安いです。

    合成油は、その性能を最適化するために分子を組み換えたオイルです。 粘度変化が少ないため、低温でも高温でも使用できますし、鉱物油より汚染されるスピードも遅いです。 ただ、値段は高いです。

    半合成油は、合成油ほど高熱に耐えられないとしても、品質とコストにおいては理想的な妥協点となるといえるでしょう。

    これら3種類の潤滑油は、エンジン使用されます。

  • グリースについて

    ExxonMobil社製 グリース

    グリースは半固体の化合物であり、その性質上、潤滑油と違って容器の形状に適合できません。 ただ、潤滑油よりも粘度が高いため、機械や工具を効果的に潤滑することができます。 また、各用途に応じて導電性、非導電性のものがあるため、電気設備にも使用されます。

    そして、高温に非常に強いため、オーブンなどでも使用可能です。 さらに、一般的にポンプとフィルターを備えた道具が必要な潤滑油とは異なり、潤滑する部品に塗布するだけでよく、非常に使いやすいです。

  • グリースの種類について

    潤滑油と同じように、グリースにも鉱物合成の二種類があります。
    鉱物グリースは、一般的にワセリンやパラフィンから造られます。 このグリースは特にクリーム状をしており、部品の滑りを良くしてくれます。

    合成グリースは、合成油と金属石けんからつくられます。 石けんに使用される金属の融点までですが、比較的高温で使用できます。 合成グリースは鉱物グリースよりも酸化しやすく、粘度が長く続きます。

  • ペースト状潤滑剤について

    Bio-Circle社製 ペースト状潤滑剤

    ペースト状潤滑剤はまず、潤滑油よりも高温に耐えることができ、気化のリスクもありません。 導電性ペースト状潤滑剤もまた、特定の用途ではグリースに取って代わることができます。 また強度も高いため、重い荷重にも耐えられます。 機械部品を腐食から保護する以外にも、摩擦による摩耗も軽減してくれます。 腐食や酸化から部品を保護するため、高温にさらされた部品の解体にも役立ちます。

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