ポンプを正しく選択する

ポンプは、エンジンによって供給されるエネルギーを水力に変換することによって流体の流れを実現する機械装置です。ポンプを選択するための最初の基準は流体のタイプです。流体の技術的特性を考慮して、ポンプの選定をする必要があります。次にポンプが正しく機能するために流量、吸い上げ揚程、押し上げ揚程、圧力損失などを知る必要があります。
このガイドでは主なポンプの種類とその使用例を解説します。ただしここでは油圧ポンプや真空ポンプは取り扱っていません。用途と技術から区別されているこの2つの製品は、別に紹介されています。

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どのようにポンプの選定をするか?

ANDRITZのウオーターポンプ
ANDRITZのウオーターポンプ

お客様のニーズに合ったポンプを選択するには、用途に応じてその特性を決定する必要があります。 まず腐食現象やポンプの早期摩耗を避けるために移送する流体の種類について知る必要があります。 したがって、汲み出される流体の化学組成、その粘度および固体成分の存在を知ることが不可欠です。 処理された流体の全ての物理的特性を徹底的に理解することで、必要に応じた理想的な技術と、流体に適したポンプの構成材料を選択することができます。 ポンプを選択する前に参照するべき化学的適合性図があります。 次に流体移送に関する以下の事項を確認する必要があります:

  • 流量一般的にm3/h (立方メートル毎時)で表されており、 l/s (リットル毎秒) また GPM (ガロン毎分)とも表せます。吐出し量はポンプのサイズに影響します。
  • 実吸上げ揚程(吸水面からポンプ中心までの高さ) : 一般的に吸込揚程は10mを超えてはいけません。 10mを超える場合は水中ポンプを使います。
  • 実押上げ揚程 (ポンプ中心から吐出水面までの高さ)。
  • 揚程の長さ。
  • ポンプ回路上(弁やエルボなど)の障害による圧力損失
  • 圧力を変化させる場合があるタンクの有無。
  • ポンプ本体の材料により変化する液温

これらの単位によりNPSH(有効吸込みヘッド)を計算することができます。 よってキャビテ-ションを防ぐポンプを選定できます。 またポンプの効率を制御する必要があり、標準流量の約30%でなければいけません。

ポンプの選定

  • 流体の種類
  • 流量
  • 圧力
  • 液温
  • 吸込揚程
  • 揚程
  • 圧力低下

移送する流体の特徴は何か?

移送する流体のタイプはポンプの選定に大きく影響します。ポンプの種類は特に粘着性(流体の移動に対する抵抗)や吸い上げ時の液温、また個体成分が液体内にあるかないかで変わります。さらに 移送する流体が化学的に中性か腐食性 かを判断する必要があります。

一般的に、流体の粘性が高ければ高いほど、揚水システムの流れは困難になりますが、流体の粘度は動作条件によって異なります。 粘性のレベルにより、4つのタイプの流体のタイプに大きく分けられます: 第1グル-プには オイル アルコ-ル などが入り、速度や攪拌のレベルにかかわらず同じように移動します。 このタイプの流体にはポンプの選択に多くの制限がありません。

第2グル-プには、攪拌により粘性が上がるタイプのバタ-やクリ-ムなどの食品系の流体が入り、通常の遠心ポンプはこのタイプの流体の移送に適当ではありません。

第3グループには流す前に限界値を超える流体を含みます。 この値を超えると粘性は攪拌で下がります。 第4グル-プには静止状態に非常に濃厚な流体ですが、一定の攪拌を維持すると粘度が減少する接着剤塗料用グリスなどが入ります。

一般的に粘性の低い流体 (他えば第1グル-プと第2グル-プ) には 遠心ポンプが最も適当です。それは、ポンプ作用が流体の高いせん断速度を生じさせ、粘性が高くなるにつれて、流体がせん断速度に耐えなければならない追加の抵抗を考慮しなければならないからです。

一方で容積式ポンプは、より低速で作動し、流体に伝わるせん断エネルギーは遠心ポンプよりも小さいため粘性流体 (第3と第4グル-プ)には最適です。

基本的なポンプの用途

  • ウォーターポンプ
  • オイルポンプ
  • 排水用ポンプ
  • スラリーポンプ
  • ケミカルポンプ
  • グリスポンプ
  • 食品製品ポンプ

ポンプにはどんな種類があるか?

ポンプには様々な種類があります: 遠心ポンプ(流体を羽根車やプロペラで吸引する): 最も有名なモデルです。 ダイヤフラムポンプ(流体はダイヤフラムの運動によって吸引されます)。 ピストンポンプ(1つ以上のピストンを往復さえることによって、流体が吸引され吐出されます)。 蠕動ポンプ(流体は回転ローラーによって圧縮されたパイプに押されます)。 ギアポンプ(流体は、ロータ-とピニオンの回転によって、また反対方向に回転する2つのピニオンによって吸引・吐出されます)。 また上記のさまざまな動作原理を取り入れた、特別な用途のためのポンプも以下のようにあります:

どの場合に遠心ポンプを使用するか?

Weirの遠心ポンプ
Weirの遠心ポンプ

遠心ポンプは、移送する流体が低粘性固体成分を含んでいる場合に適切です。 遠心ポンプは一般的に効率が良い頑丈な装置です。 このタイプのポンプを使用すると一定の流量大容積をポンプで送ることができます。 一般的には自吸式ではありません。 よってポンプを利用する前に回路を独立して満たすことができる必要があります。 このタイプのポンプは排水処理施設で利用されたり、また石油化学業界のように濃厚流体や洗浄液を移送することもできます。

遠心ポンプの選定

  • 高流量
  • 低粘性
  • 固体成分の濃度
  • プライミング

どの場合に蠕動ポンプを使用するか?

VERDERFLEXの蠕動ポンプ
VERDERFLEXの蠕動ポンプ

液体が外部からの物質に汚染されていないことを証明しなければならない時に蠕動ポンプ は清潔無菌、また アグレッシブな流体に最適です。 これらのポンプを利用すると、正確に決まった量の注入ができます。

実際このタイプのポンプでは、液体はパイプまたはチューブ内を移動し、ポンプ本体と接触しないため衛生さが保証されます。 パイプの回収がプライミング作用を生成し、ポンプが空気または気体状の残留物を含む流体を排出できるので、これらのポンプは自吸式です。

一方このタイプのポンプは、他のポンプと比べ比較的に場所を取ります。 さらに蠕動ポンプは振動によって動作するので、流量は一定ではありません。 本体内のパイプの磨耗を防止するために定期的なメンテナンスが必要ですが、パイプのみの交換となるため、比較的低コストです。 蠕動ポンプは一般に低流量で機能し、 主に化学産業および医療分野で利用されています。

蠕動ポンプの選定

  • 無菌またはアグレッシブな液体
  • 定量ポンプ
  • 低流量
  • 自吸式

どの場合にダイヤフラムポンプを使用するか?

AROのダブルダイヤフラムポンプ
AROのダブルダイヤフラムポンプ

濃密で粘性が強い液体を移送する場合ダイヤフラムポンプが最適です。 移送する液体の吸い込みと吐出しをするために、通常これらのポンプはダブルダイヤフラムです。 これらのポンプは潤滑油が必要なく、自吸式です。 これらのポンプは主に化学業界で使用されていますが、非常に柔軟なため現在では食品業界、電子機器、鉱業などの多くの分野で使用されています。 一般的に大容量ダイヤフラムポンプは空気で作動します。

ポンプが工業用の建物で使用される場合、 エア供給ラインを確認する必要があります。また屋外で使用する場合、近くにエアーコンプレッサーを用意するべきです。

ダイヤフラムポンプの選定

  • 非常に粘性のある液体
  • ドライランニング
  • 自吸式
  • 空気圧作動
  • 高い柔軟性

どの場合にギアポンプを使用するか?

WITTEのギアポンプ
WITTEのギアポンプ

個体粒子と混ざっていない場合、粘性液体高圧で移送するにはギアポンプがおすすめです。 これらのポンプは、高温で粘性の高い流体を扱う場合に適しており、吸水方向を逆転させる能力もあります。

ポンプが作動中に非常に低い騒音で定流量であることが特徴です。 このポンプは非常に信頼性の高いポンプであり、コンパクトでシンプルなデザインなので、メンテナンスがそれほど高額になりません。

一方で高い流量には理想的ではありません。 エンジン部品の潤滑にするために、特に自動車産業界で使用されています。 これらのポンプは自動プレス機や鋳造部門でプラスチック加工用に幅広く利用されています。 またこれらのポンプは投与機能を持っています。

ギアポンプの選定

  • 粘性流体
  • 高圧
  • 流量一定
  • 定量ポンプ
  • 低流量

どの場合にピストンポンプを使用するか?

LEWAのプランジャーピストンポンプ
LEWAのプランジャーピストンポンプ

ピストンポンプは、低粘性の液体で平均流量(80m³/h)の場合に適しています。 さらにこのタイプのポンプでは、シリンダーとピストンの間の密閉が完全である場合のみポンプが正確に作動するため、固体粒子の揚水は不可能です。

高圧用途の場合プランジャーポンプが適しています。ピストンポンプとは異なり、ピストンと共に動かないシールによって固定されているため、より高い圧力に耐えることができます。

複数のピストンタイプのポンプがあり(デユプレックス トリプレックスなど)、圧力が他のピストンへかかるため、ポンプの寿命を延ばします。 この場合、ピストン数を減らして同じ圧力に達すると速度はより速くなり、その結果振動が大きくなるため回転速度に注意してください。 従ってこれらのポンプは高圧に達する場合に適しており、オイルの吸い上げや高圧クリーナー、またはダイアフラムポンプの代用としても非常に適しています。

ピストンポンプの選定

  • 高圧
  • 低粘性
  • 平均流量
  • 液体が満たされていない

どのように水中ポンプか陸上ポンプの選定をするか?

KSBの水中ポンプ
KSBの水中ポンプ

水中ポンプと陸上ポンプの選択には、 吸込揚程が関わっています。 吸引すべき流体の深さが7メ-トル以上の場合は、陸上ポンプがこの深さで流体を持ち上げることができないため、水中ポンプを選択します。

一方で 吸引の高さが両タイプのポンプの使用を可能にする場合、選択基準は主に用途環境条件そして使用頻度となります。 陸上ポンプはメンテナンスが容易です。 ただし設置条件がポンプの性能に影響する可能性があります。 よって悪天候や外部からの物質から保護する必要があります。

陸上ポンプのもう一つの欠点は、プライミングの必要性であるのに対し、水中ポンプは本体が吸水する液体に浸っているため、既にプライミングができた状態となっています。 陸上ポンプの場合、自吸できない場合は自吸式ポンプを選択することができます。 このタイプのポンプには、吸入管内に存在する空気を排出する機構と、ポンプが停止する際に吸入管内に液体が戻ってこないようにする逆止弁が設けられてます。

水中ポンプと陸上ポンプの選定

  • 吸込揚程
  • 設置条件
  • 使用頻度
  • メンテナンス
  • プライミング

ポンプの主な動力源は何か?

Godwinのエンジンヒ-トポンプ
Godwinのエンジンヒ-トポンプ

ポンプは一般的に流体を移送するポンプ部分と、ポンプを駆動する動力部分を含んでいます。 最も一般的なポンプは、電気モーターで作動させる電動ポンプです。 動力源は実揚程(吸い上げ揚程+押し上げ揚程)、負荷の損失、移送距離、および流量により異なります。

自律型ポンプは、通常内燃機関を備えたエンジン駆動式ポンプです。 外部エネルギーを必要とする従来のポンプとは異なり、エンジン駆動式ポンプは内燃機関(ディーゼル機関またはガソリン機関)を用いたポンプであり、通常は遠心式で自立型です。 このタイプのポンプは主に農業や火災防止のために民間安全のために使用されています。

エンジン駆動式ポンプは、液体の長距離移送の場合にも中継役として便利です。 圧縮空気で機能する空気ポンプ もあります。

これらのポンプは主に回路内の圧力を上昇させるために使用されています。 手動ポンプはもちろんのこと、一部のポンプはエンジンなしで販売することができます。 そのためポンプを稼働させるシステムを用意する必要があります。

ポンプの主なエンジン

  • 電動ポンプ
  • 空気圧ポンプ
  • エンジンヒ-トポンプ

ポンプのキャビテーションを避ける方法とは?

キャビテーションの現象は汲み上げられた液体がその沸点に近いときに生じます。つまり液体から発生する気体によって空洞ができるのです。

キャビテーションは破裂する気泡の形成によって引き起こされ、騒音を発生させポンプを急速に損傷させる可能性があります。したがってポンプが設備の全構成に適しているか、特に吸い上げ揚程に適しているかを確認することは大切です。

ポンプのキャビテーションを避けるには、ポンプが設備のサイズに合っていることを確認しながら、気泡の形成を避けることが望ましいです。これには、流量、圧力、 圧力損失、吸い上げ揚程と押し上げ揚程により変化する有効吸込みヘッド(NPSH)と呼ばれる値の計算が必要です。

メ-カ-は必要吸込みヘッド(NPSHr)を表記します。これらの2つの値はメートルで表記され、ポンプのサイズが適切であるためには計算されたNPSHaがNPSHrよりも少なくとも0.5 m大きくなければなりません。

それでもキャビテーションの問題が発生する場合は、NPSHaを増加させる以下の方法を試しましょう: ポンプ入口の流体温度を下げる(例えば冷却リングを追加してみる)、ポンプの速度を下げる、大口径の吸込ホ-スを取り付ける。