アクチュエータの選び方

アクチュエータは、加圧された流体(空気または油)または電気エネルギーを直線運動または回転運動などの機械エネルギーに変換する装置です。

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  • アクチュエータの選び方

    METAL WORK社製の回転アクチェエータ

    アクチュエータの動力源には、圧縮空気を使用する空圧アクチュエータ、圧縮した油(圧油)を使用する油圧アクチュエータ電動アクチュエータの3種類があります。ここでは、アクチュエータを正しく選択するためのいくつかのポイントをご紹介します。

    1つ目のポイントは、アクチュエータの動きです。アクチュエータには、回転運動を発生させるロータリーアクチュエータと、直線運動を発生させるリニアアクチュエータの2種類があります。2つ目のポイントは、アクチェータの推進力やトルクを用途から選ぶことです。

    3つ目のポイントは、用途に応じて単動形か複動形のどちらかを選ぶ必要があります。これは油圧・空圧アクチュエータに特有の選択なので、電動アクチュエータを選ぶ場合は、考える必要がありません。

  • アクチュエータの種類について

    アクチュエータは空圧アクチュエータ油圧アクチュエータ、また電動アクチュエータに分類されます。アクチュエータの種類の選択は、用途最大荷重、および速度から行います。例えば、重量物を移動させる場合には、油圧アクチュエータがおすすめです。速度の観点からは、空圧アクチュエータがおすすめです。また危険区域(爆発性雰囲気内)では、油圧または空圧アクチュエータがおすすめです。

    アクチュエータを選択する際のもう一つのポイントは、設置の簡単さです。電動アクチュエータは、設置や使い方が簡単である一方、油圧アクチュエータは最も操作が難しく、メンテナンスが多く必要です。

  • 電動アクチュエータについて

    LINAK社製の電動アクチュエータ

    設置や操作が簡単なアクチュエータをお探しの場合は、電動アクチュエータがおすすめです。このタイプのアクチュエータは多点位置決めが可能で、その精度も非常に高く、誤差は0.001mmです。

    数トンまでの高荷重に耐えることができますが、油圧アクチュエータには劣ります。また速度が速く、環境にも優しく低騒音です。

    ただし、購入の前に次の点に気をつけましょう。まず軸の移動は、非同期モータ(高剛性で操作が簡単)、ステッピングモータ(精密)、またはブラシレスモータ(寿命は長いが、非常に高価)のいずれかで行われます。

    次に危険区域では、電源を使用しない方が良いです。発火は爆発や火災の引き金になるからです。このような環境でアクチェータを使用する場合は、空圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータを選びましょう。

  • 空圧アクチュエータについて

    Cy.Pag社製の空圧アクチュエータ

    空圧アクチュエータは、リニアアクチュエータとロータリアクチュエータに分かれており、空圧エネルギー(圧縮空気)を機械エネルギーに変換します。

    圧縮空気を動力源とする空圧アクチュエータは、着火剤を使用しないため、爆発や火災の危険性が低いです。このアクチュエータは、産業用自動化システムにも多く使用されています。圧縮性のある流体(空気)を供給することで、空圧アクチュエータの高速化が可能となり、高速駆動に対応できます。

    空圧アクチュエータは、安価寿命が長く、簡単に取り付けられることから、最も売れているアクチュエータでもあります。また、軽量で省スペース設計です。ただし、圧縮空気の品質にはご注意ください。空気の状態が悪いと、アクチュエーターが損傷することがあります。

    空圧アクチュエータの供給圧力は、一般的に6バールだと言われています。その押す力と引く力は、ボア径により異なります。速度は0.2~0.3m/sと高速です。また推力は4~8バールの圧力で20N~50,000Nです。しかしその力は油圧アクチュエータに劣ります。

    また、軽量で省スペースであることも大きなな利点です。

  • 油圧アクチュエータについて

    Eckart社製の油圧アクチュエータ

    油圧アクチュエータは油圧機器で、流体エネルギーとして油が使用されます。特に重量物の移動など、大きな力を必要とする場合に適しています。シリンダ室に入る流体の流れを制御することで、空圧アクチュエータに比べて速度制御が簡単で、さらに長寿命です。

    しかし油圧アクチュエータは、空圧アクチュエータに比べて動作速度が遅いです。また油漏れの可能性があり、特に配管システム内の流体の循環が圧力低下につながるため、効率低下を招く可能性があります。また高圧(50~700バール)になると事故のリスクが高まり、油を使用するため、火災の危険性があります。部品が高価であり、予防保全にコストがかかるため、高価な機器ではあります。油圧アクチュエータのメンテナンスの際は、特にシリンダ室を保護するシールに細心の注意が必要です。

  • 単動式アクチュエータと複動式アクチュエータについて

    油圧アクチュエータと空圧アクチュエータには、単動式アクチュエータ複動式アクチュエータの2種類があります。この技術は、油圧アクチュエータと空圧アクチュエータの両方に使用されています。

    複動式アクチュエータでは、アクチュエータがどちらかの方向に動くためには、ピストンの両側に交互に圧力がかかる必要があります。単動式アクチュエーターでは、スプリングが埋め込まれており、アクチュエーターが元の位置に戻ることができます。

    複動式アクチュエータの選択は、用途に応じて行います。例えば、両方向に力を与える機械(天井クレーンなど)に適しています。ストローク終端部のピストンのエネルギーをクッションが吸収し、衝撃を減らすことで、速度制御を容易にします。しかし単動式アクチュエータよりも高価です。

    単動式アクチュエータの選択も同様に、用途に応じて行います。複動式アクチュエータに比べて経済的で、流体消費量が少ないです。しかし、スペースを取りストロークも限られています。

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