バルブを正しく選ぶには

バルブは、油圧/空気回路内の流体の流れや圧力を制御する機械的装置です。バルブは液体、気体、蒸気、泥などを輸送する配管システムに必要不可欠な部品です。
色々なタイプのバルブがあり、各バルブは異なる特性、能力および機能を持っています。また様々なタイプの作動(手動、空気圧、電動…)が可能です。

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  • どのようにバルブの選定をするか?

    EBRO S.A.R.Lのバタフライバルブ
    EBRO S.A.R.Lのバタフライバルブ

    バルブを適切に選択するには、その機能が何であるかを判断することが不可欠です。 液体を調整したり循環を止めたりすることができるかどうか?そしてどのタイプの流体(例えば液体か気体か)が回路内を循環を確認することが不可欠です。 腐食性の液体、化学的に中性の液体、特別な衛生条件を必要とする食品や医療用液体かどうか。

    バルブが手動か自動かを知るには、「バルブの作動システム」を知ることが不可欠です。 バルブを操作するために人が現場にいなければならない場合もありますが、制御ステーションから遠隔操作することができるバルブもあります。

    最後にバルブが回路内にどのように組み込まれるかを知ることが大切です。特にバルブが溶接、ボルト締め、ねじ締めされていなければならい場合は取り付けまた設置のタイプを知ることが重要です。

    これらの要素を決定したら、バルブの寸法を決定するための流量や圧力など、設置の技術的特性を確認することができます。

  • バルブの寸法の決め方とは?

    バルブのサイズを決めるには、回路の動作に関連する要素を知っている必要があります:

    • 圧力は、バルブのサイズが小さくならないため、また漏れや破裂の問題を避けるための重要な要素です。
    • 循環液の温度またバルブ本体の周囲温度などの運転温度は特定されていなければなりません。特に本体、クロージャーシステムおよびシーリング部品の製造に使用される材料に関して、これらの条件で動作するように設計されたバルブを選択するには、バルブが受けなければならない 極端な温度 を知っておくことが重要です。
    • 動作圧力とは流体がバルブに掛かる圧力です。
    • 流体の流れとその速さ。 流量と定格回速度は、特に流量を調整する場合に、正しいバルブの選択に役立つ重要な要素です。 流量係数(Kv)は、弁の公称流量を計算するために製造業者によって定義された理論値です。 この係数はリットル毎分(l/min)また立方メートル毎時間(m3/h)で表記されます。 バルブ製造業者は、希望の流速や呼び径に基づいた、この係数を決定するチャートを提供します。
    • バルブの回路の呼び径(DN) この基準は、過大な圧力低下や急激なバルブの損傷、またバルブのオーバーサイズを避けるために不可欠です。

    寸法設定の要素:

    • 圧力
    • 温度
    • 流量
    • 直径
  • バルブの主な種類は何か?

    Voith Turboのゲートバルブ
    Voith Turboのゲートバルブ

    お客様のニーズに適応できる様々なタイプのバルブがあります。 もし流体の流れを止めたいのであれば、ストップバルブボールバルブタイプやナイフゲ-トバルブまた ゲ-トバルブがおすすめです。

    流体の流れを制御したい場合は、制御バルブの二ードルバルブタイプ、グローブバルブピストンバルブまたとても優れた絞り機能の持つバタフライバルブがおすすめです。

    バルブを構成する素材を決定するため、バルブの選択は輸送される流体の流量、圧力、およびタイプにも依存します。

  • バタフライバルブはどの場合に使うか?

    OMAL Spaのバタフライバルブ
    OMAL Spaのバタフライバルブ

    バタフライバルブは、主に流体の流れを制御するために使用されています。 バルブに使用される素材に応じて、異なるタイプの流体、すなわち水または油、泥、食品また薬液などの化学的に中性な流体、さらに腐食性流体は、特にバタフライバルブに使用することができます。 しかし固体粒子が充填された流体にはバタフライバルブを使用できないため、完全封鎖を妨げる可能性があります。

    バタフライバルブは「1/4回転バルブ」です。 その作動には、開位置と閉位置との間で90°の回転を必要とします。 大きな直径の場合、スロットルに直接加えられる圧力を補う減速装置を備えた操作装置が必要な場合があります。バタフライバルブは良好なシール性を保証します。 大径のバタフライバルブはフランジ取付けに使用されており、加熱回路用に使用されるのは一般的にスクリューバルブです。

    バタフライバルブはボールバルブと比較すると、ほとんどの場合最小のバルクを有します。

    重要な特徴 :

    • 流量の制御
    • 1/4回転式バルブ
    • シ-ル性に優れている
    • コンパクト

    欠点 :

    • 固体粒子を含む流体に不向き

     

  • ボ-ルバルブはどの場合に使うか?

    NENCINIのボールバルブ
    NENCINIのボールバルブ

    ボールバルブは、流体の流れを止めるために使用されます。 ボールバルブは、パイプと同じ直径の穴があけられた球状の形をしています。 また、開位置にある流体の循環に支障を与えないという利点がある「四分の一回転」バルブです。

    ボ-ルの穴がパイプと同じ直径である場合、それは「全流」と言われます。 このタイプのバルブは、閉位置で良好なシール性を保証します。このバルブは、液体(水、油など)とガスの両方に使用されます。ボールバルブには、円錐形栓が装備されていても大丈夫です。

    ボールバルブには3方向また4方向も存在します。この場合主弁と呼ぶこともできます。

    重要な特徴:

    • ストップバルブ
    • 1/4回転式バルブ
    • 液体およびガス状流体に対応します

    欠点 :

    • ウォーターハンマーの危険性
  • どの場合にグローブバルブまたピストンバルブを使うか?

    Mivalのグローブバルブ
    Mivalのグローブバルブ

    グローブバルブピストンバルブは同じ原理で動作します。 ロッドの先端部は皿状またはピストンになっており、バルブの中に下降して流体の通過を妨げます。 これらのバルブは、パイプ内の圧力に応じた流体の流れの調整に特に適しています。

    実際多くのバルブアクチュエータは、圧力に応じてバルブ開度を調整できる調整スプリングを含んでいます。このタイプのバルブの主な欠点は、大き圧力降下です。 そして流体圧力が高すぎると、閉弁中にこのバルブを操作することが困難であるということです。

    さらに高速に閉じる可能性があり、水撃が発生する可能性があります。このバルブには3方向モデルもあります。

    重要な特徴:

    • 流量の調整
    • 圧力調整に対応

     

    欠点 :

    • 大幅な圧力低下
    • ウォーターハンマーの危険性
  • どの場合に二-ドルバルブを使うか?

    SFERACOの二-ドルバルブ
    SFERACOの二-ドルバルブ

    二ードルバルブは、特に低流量液体また気体の調整に使用されます。これらのバルブは、低圧用途向けに設計された小径バルブです。 「蛇口」とも呼ばれ、 一般的に手動操作です。 家庭内の使用および流体サンプリング操作においてよく利用されています。 安価なため非常に人気です。

    重要な特徴

    • 低流量
    • 一般的に手動操作
    • 安価

     

  • どの場合にダイアフラムバルブを使うか?

    SISTO Armaturenのダイアフラムバルブ
    SISTO Armaturenのダイアフラムバルブ

    ダイアフラムバルブは、衛生的かつ無菌的な過程で使用されます。主に循環流体を、あらゆる汚染の可能性から遠ざけなければならない場合に使用されます。これらのバルブは主に開/閉モードで作動しますが、場合によっては流体制御用に使用することもできます。

    開放位置では「全開」と呼ばれ、閉鎖ダイアフラムが流体の通過を完全に開放するため、圧力降下はほとんど生じません。 これらのバルブの気密性は、流体とロッドの間に直接的接触がないため優れていますが、流体に固体粒子が含まれている場合はダイアフラムの状態を確認するための定期的なメンテナンスが必要です。

    早期摩耗を防ぐために、ダイアフラムの素材が温度および圧力条件に適していることを確認する必要があります。ダイアフラムバルブは主に食品産業および製薬産業で使用されています。 またダイアフラムの素材を含めたバルブの構成素材に応じて、化学工業および超純粋な用途で使用されることもごく一般的にあります。

    ダイアフラムバルブは、泥や粘性の高い液体にも適しています。このタイプのバルブは広範囲の回路では使用できず、一般的に口径DN350に限定されています。

    重要な特徴:

    • 圧力降下が制限されている
    • シ-ル性に優れている
    • 農業食品、医薬品、化学製品用
    • 固体粒子を含む流体に適応

    欠点 :

    • 定期的なメンテナンス
    • 小呼び径
  • どの場合にナイフゲ-トバルブを使うか?

    EBRO S.A.R.Lのナイフゲ-トバルブ
    EBRO S.A.R.Lのナイフゲ-トバルブ

    ナイフゲ-トバルブは、製紙業界、化学業界、鉱業、発電所、農業食品業界でよく使用されています。

    シャッター(閉鎖位置での流体の通過を阻止するプレート)が直線運動をするため、非常にコンパクトであるという利点があります。 このバルブは主に遮断バルブですが、シャッターが中間に配置されている場合、制御バルブとして使用できます。また下水や汚泥などの固体粒子が含まれた流体に使用できます。

    一般的に回路の上流側(流体入口側)でシールされるように設計されていますが、一部のバルブは両側でシールされており、流体循環の流れの方向に関係なく使用できます。開位置では、バルブが流体の方向の変化を引き起こさないので、圧力降下は非常に低いです。

    一方開閉時間は非常に長くなる可能性があり、シャッターとシーリング要素の間の摩耗を改善するために定期的なメンテナンスをする必要があります。

    重要な特徴:

    • 厚さの面で場所を取らない
    • 小さい圧力降下
    • 固体粒子を含む流体に適応

    欠点 :

    • 開閉速度が遅い
    • 定期的なメンテナンスが必要
  • ウォーターハンマーを避けるには?

    Z-tideの水撃アレスタ
    Z-tideの水撃アレスタ

    水撃は、バルブの急速な閉鎖中に特に起こる流体過圧の現象で、 パイプ内で特有の騒音が聞こえます。 この過圧は、回路を破壊するほどの大きなダメージを引き起こす可能性があります。水撃を避けるには以下の方法があります:

    • 圧力を調整するために、バルブの上流に圧力調節器を取り付けてください。
    • バルブの上流に水撃アレスタを取り付ける:水撃アレスタは衝撃波を緩和し、過剰圧力を吸収することを目的とした一種の膨張容器です。
    • バルブの上流の回路の直径を大きくして、この部分の圧力を低下させます。
  • マルチバルブとは何か?

    マルチバルブは、複数の入口および出口を持つバルブです。最も一般的なのは、三方向でボ-ル弁で、2つの異なる回路間の設備における流体の流れを調節するために使用されます。また2種類の液体を混合するためにも使用できます。

    4方向、5方向または6方向のバルブもありますが、これ以上の出入り口数を持つバルブは非常にまれです。

     

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