産業用カメラの選択

カメラは、マシンビジョンや産業などのイメージング用に、物体や場所の画像をキャプチャするために使用されています。 カメラは、撮像レンズとインターフェースで連結する画像処理の構成部品です。 カメラには、撮像レンズにより集束された光を結像するように設計されたセンサが付いています。 カメラには、ほぼ全てのカメラに対応するCCDやCMOSセンサなど、多くのイメージセンサが組み込まれています。 顕微鏡のような物体の流れの管理、生産の制御といった幅広い用途があります。 このガイドでは、監視カメラは取り扱っていません。

産業用カメラを見る

  • 産業用カメラをどのように選定するか?

    IDSのマシンビジョンカメラ
    IDSのマシンビジョンカメラ

    産業用カメラの選定には、知っておくべき基礎知識がいくつかあります。まず、選んだカメラが用途に応じているかどうかを確認しましょう。例えば生産制御用カメラは、ロボット誘導用カメラとは異なる特徴を持っています。

    次に、用途に応じたスペクトルを選びましょう: 赤外線や紫外線など
    イメ-ジセンサの種類の選択も必要です: CCDセンサ、CMOSセンサ、マイクロボロメータ、FPAセンサなどがあります。

    さらに、様々なインタフェースの中から適した通信インタフェースを選択することも重要です:USB 2.0、USB 3.0、GigE、Camera Link、 PoEやVGAなど。

    これらの選択は、予算と用途によって変わります。

    マシンビジョンカメラの選定ポイント

    • 用途
    • 使用分野
    • イメ-ジセンサ
    • 通信インタフェース
  • 検査対象物は何か?

    Lumasenceの赤外線カメラ
    Lumasenceの赤外線カメラ

    産業カメラは、検査用途に適していなければなりません。そのため対象物と、どの赤外線が最もデ-タを取得するかを決めることが必要です。赤外線は、カメラの観察に必要なスペクトルを決定します。例えばカメラが監視に使用される場合、広範囲のスペクトルが必要になります。一方、炉内用カメラは狭いスペクトルを必要とします。

    スペクトルが多彩なカメラにはいくつかタイプがあります:
    目に見える物体、赤外線(熱視力を可能にする)、X線(柔らかい物質を貫通できるため、医用イメージングに非常に適しています)、紫外線 (一般的に医用イメージングに利用されている)などに敏感なカメラ、およびマルチスペクトルカメラ(他のすべてのタイプのスペクトルを含むので、最も広いスペクトルを有する)があります。
    従って、産業環境の中での検査の対象物や工程のコントロ-ルに、カメラの導入を考慮するべきです。炉内用カメラは高温に耐えられるように、保護ケ-スに入っています。

    検査対象物に応じた確認ポイント

    • 最も適した赤外線
    • カメラのスペクトル
    • 産業環境へのカメラの導入
    • 通信インタフェース
  • どのイメ-ジセンサを使うか?

    TeledyneのCMOSイメ-ジセンサ
    TeledyneのCMOSイメ-ジセンサ

    イメ-ジセンサには4つのタイプがあります: CCDイメ-ジセンサ、CMOSイメ-ジセンサ、マイクロボロメータまたFPAイメ-ジセンサ (焦点面アレイ)です。 適切なセンサを見つけるには、まず必要なスペクトルを定義することが重要です。 例えばCCDイメ-ジセンサは、赤外線視力を使用できません。 選択は必要とする品質と予算によっても決まります。

    イメ-ジセンサの種類:

    • CCD
    • CMOS
    • FPA
    • マイクロボロメータ
  • CCDイメ-ジセンサはどんな場合に選択するか?

    TeledyneのCCDイメ-ジセンサ
    TeledyneのCCDイメ-ジセンサ

    CCDイメ-ジセンサはあまり費用がかかりません。品質と値段においてメリットがあります。しかしスペクトルは、目に見えるものしか感知しません。さらにグレアに非常に敏感であり、温度と共に増加する寄生電子数を有するというデメリットがあります。 熱雑音を避けるために、時々CCDセンサを冷却する必要があります。しかし昨今のCCDは、CMOSセンサに近い高品質を提供する高度な技術を持っています。

    CCDセンサは、例えばスキャナによく使用されています。

    メリット/デメリット:

    品質+++ /値段   – – –

    目に見える物体のみに敏感 – – –

    グレアに敏感 – – –

    温度に敏感な雑音 – – –

  • CMOSセンサはどんな場合に選択するか?

    Photon FocusのCMOSイメ-ジセンサ
    Photon FocusのCMOSイメ-ジセンサ

    CCDセンサよりも高価格ですが、CMOSセンサには様々なメリットもあります。まずその品質はCCDセンサよりも優れています(最新世代のCCDセンサがCMOSセンサに近づいていても)。そして低照度の場合に適しています。低照度でも問題ありません。さらに、CCDセンサと比べて読み取り速度が速く、省エネルギーです。

    CMOSセンサはCCDセンサとライバルで、同じ用途(スキャナー、研究所、梱包ラインの監視)でも使用されています。

    メリット/デメリット :

    優れた品質+++

    赤外線感度 +++

    グレア耐性 +++

    読み込み速度 +++

    低エネルギー消費  +++

    高価格 – – –

  • マイクロボロメータセンサはどんな場合に選択するか?

    Chauvin Arnouxのマイクロボロメータカメラ
    Chauvin Arnouxのマイクロボロメータカメラ

    マイクロボロメータセンサは、熱画像カメラにのみ使用され、主に赤外線を使用します。軽量のマイクロボロメータセンサは、消費エネルギーが低く、出力通信が非常に高速です。しかしとても高額です。さらにCCDセンサのように寄生電子数が温度と共に増加するため、冷却検出器を備えた熱センサよりも感度が低いです。そのため解像度に問題を引き起こす可能性があります。しかし、現在の技術はこれらの問題を解決できるので、マイクロボロメータセンサはより高性能になっています。

    軽量、小型、低消費エネルギーのためマイクロボロメータセンサは、工事用ヘルメットやポータブル機器に固定することができます。

    メリット

    • 読み取り速度
    • 低エネルギー消費
    • 軽量

    デメリット

    • 高価格
    •  赤外線感度のみ
    • 熱雑音感度
  • FPAセンサはどんな場合に選択するか?

    TeledyneのFPAイメ-ジセンサ
    TeledyneのFPAイメ-ジセンサ

    FPAセンサの主なメリットは、その優れた感度と優れた画質です。しかし画像の解像度はあまり高くありません(一般に320×240ピクセル)。非常に大きく高価なこれらの画像センサは、空間画像や医用イメ-ジング、また武器や検査カメラに使用されています。

    メリット/デメリット:

    非常に高い感度 +++

    優れた画質 +++

    高価格 – – –

    低画質 – – –

    サイズが大きいセンサ- – –

  • どのタイプの通信インタフェースを使うべきか?

    Vision Researchの産業用カメラコネクタ
    Vision Researchの産業用カメラコネクタ

    センサのタイプを決定した後、使用する通信インターフェースを選択する必要があります。以下にカメラメーカーが提供する主な通信インターフェイスを紹介します。これらのインターフェイスにもメリットとデメリットがあります:

    – USB 2.0 : この安価なシステムはケーブル(最大5メートル)でカメラに接続する必要があります。理論上の最大処理能力である480Mbits/sでは、データ伝送の信頼性に欠ける可能性があります。USB 3.0はUSB 2.0 に取って代わりました。

    – USB 3.0:このインターフェースはUSB 2.0に似た特性を持っていますが、高速でより信頼できるデ-タ伝送が可能です。

    – CameraLink:この高速(最大6Gbits/s))で非常に高価な通信インターフェイスは、高解像度に最適です。ケーブルの長さは最大10メートルまで達することができます。

    – GigE(またはGiga Ethernet):最大1Gbit/sのスピ-ドで、非常に安価な通信インターフェイスは、長いケーブル(最大100mまで可能)が必要な場合に有利です。

    – PoE(またはPower Over Etherne):最大1Gbit/s。主な利点は、データ通信中にカメラを動かすことができることです。

    – VGA(ビデオグラフィックアレイ):VGAは640×480の解像度です。最大256色まで送信できます。このインターフェースは使用されなくなります。

    使用可能な通信インタフェースの概要:

    • USB 2 & 3
    • CameraLink
    • GigE
    • PoE
    • VGA
    • FireWire
    • PAL/NTSC
  • 何メガピクセル必要か?

    Baumerの12メガピクセルの産業用カメラ
    Baumerの12メガピクセルの産業用カメラ

    カメラの感度が高ければ高いほど、暗い場所でも読みやすい画像が得られます。画像の品質は、カメラの感度と画像の解像度によります。メガピクセルの数が多いほど、画像はよりはっきりとします。明確に細部まで見たい場合は、1メガピクセルを超える解像度のカメラを使用することをお勧めします。またH.264フォーマットは非常に高性能です。

    さらに、メガピクセルカメラは非常に一般的で手頃な価格になっています。

  • 産業用カメラの主な用途は何か?

    Microscanの産業用カメラ
    Microscanの産業用カメラ

    産業用カメラには、さまざまな用途があります。生産管理、オブジェクトフロー管理、表面検査(カメラは顕微鏡に取り付ける必要があります)、電子部品の製造、またはロボットの誘導に使用できます。各用途に応じたカメラがあります。

    例えば、包装ラインの生産フローを制御するためには、安価なCCDカメラが必要です。この場合、カメラスキャン速度(fps)と解像度(メガピクセルカメラ)を優先します。CCDカメラの代わりにCMOSカメラを使用できますが、値段がより高いです。

    高い精度のFPAカメラは、誘導と医用イメ-ジングの両方に使用できます。

    熱流束を識別し測定するためのカメラが必要な場合は、マイクロボロメータカメラをお勧めします。

  • カメラはどの程度のパフォーマンスを達成できるか?

    EVTのスマ-トカメラ
    EVTのスマ-トカメラ

    カメラの電子機器は、センサよりも性能が低いです。一部のカメラはセンサの一方他のカメラは、解像度は特別高くないですが、薄暗い中での画像作成に高い感度が必要です。ただしセンサが高感度なため、熱雑音のリスクがあります。感度が低いため、熱雑音がほとんどなく感度が低い高画像解像度です。またカメラのレンズも重要です。光学的品質、最大開口およびそれらの焦点距離は、センサ上に形成された画像の品質に直接影響を与えるからです。カメラの性能は価格により大きく変わります。

    カメラの性能に影響を出す要因

    • 感度 (ISOで表記)
    • 解像度(ピクセルで表記)
    • 速度 (fpsで表記 – フレーム毎秒)
    • 熱雑音 (センサから発生)
    • スペ-ス
  • スマ-トカメラとは何か?

    Kappaの産業用カメラ
    Kappaの産業用カメラ

    スマ-トカメラとは、画像をキャプチャし解釈することができるカメラです。このカメラには、いくつかのメリットがあり、さらに画像を認識し指示することができます。このカメラは非常にコンパクトで、スペースを取らないため、生産ラインに簡単に設置できます。

    スマートカメラのメリット:

    • 自律型(組込みインテリジェンス)
    • 統合画像処理
    • 統合画像解釈
    • 自動化数値制御
    • 場所を取らない
    • 取り付けが簡単
  • 傾向

    イメージセンサは近年大きな進歩を遂げています。高解像度のためにピクセルを増やし、感度を高める傾向にあります(バックライト付きイメージセンサ)。CCD技術に関しては、センサはより高性能になり、CMOSセンサとはますます多くの機能を共有しています。この結果、より良い解像度が得られるだけでなく、低い照明レベルでの熱雑音の制限もできます。通信インタフェースに関しては、データ伝送が高速になっています。したがって高解像度画像の共有は、産業環境にとどまりながらも、品質を下げずに長距離でも可能です。近い将来には、Wifiを使いデータ送信ができるようになるでしょう。

    最近のカメラのトレンド

    • 高解像度
    • 高感度
    • インテリジェンス
    • 自立型
    • 小型化
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